”2009年から英語で英語の授業”、一歩先を行く英語教師、松崎賢士先生へのインタビュー

松崎賢士先生は、教職14年目で、現在大阪府の私立高校で勤務されています。

「2009年から英語で英語の授業」を実施、2020年に「CLET-S資格」を取得、いち早く英語教授法の改革に取り組み、世界の教授法に目を向けている、先生に、現状の取組、今後の目標などをインタビューしました。

早速ですが、先生のプロフィールを教えてください。
英語教師になろうと思ったきっかけはありますか?

民間企業での勤務は性格的に合わないだろうと思っていたので、英語での関わりを求めた際に出てきたのが教職員でした。

3年で結果が分かるという点には魅力を感じています。

現在の英語力に至るまでの勉強方法と取得された英語試験を教えてください。

英検1級、TOEIC 990 IELTS 7.5

子供のころから英会話などに通っていました。本は洋書、日本語のテレビや邦画は見ずに洋画を見る、ニュースもBBCニュースなどに目を通してからyahoo newsを見るなど、常に自分が外国語に囲まれている状態に追い込むことにしています。

ただし、流行りに疎くなるという弊害があります。

先生は、いつから英語の授業を英語で行っていますか?
また、現在の英語力で、英語で英語の授業をすることに問題を感じますか?

3年目(2009年頃)から、週に1回ペースで、映画やニュース、洋書などを使って、英語で1回完結型の授業を行っていました。

しかし、当時、同僚には疎ましがられたり、茶化されたりしてあまり好意的には受け止められていなかったように思います。本格的に完全英語に切り替えたのは2017年です。

周囲の目を完全無視して、思い切って洋書教材を中心に授業をデザインしはじめたころです。

2019年には、Celt-Sの受講を決めていたので、検定教科書の内容も英語で行うようにしました。

英語力による問題は特に感じません。

また、他校に見学に行かせていただいた時も、英語でなんとかオールイングリッシュで50分間授業運営をされていらっしゃる先生もたくさんおられ、多少の英語運用能力は必須ではあるでしょうが、自身の発音や文法そのものは大きな問題ではないと思っています。

むしろ、問題を感じるといえば、教科書でしょうか。

もはや日本語でしか説明できないような事を丁寧に丁寧に並べているのです。英語圏の英語教材や、移民向けの教材などに、英語以外の言語でしか説明できない内容を並べているでしょうか。

授業そのものというよりは、日本の教材の完璧さが、生徒たちの思考のチャンスを奪っているのではないかという疑問を感じています。

またyoutubeなどが発達してきて、英語教育系の発信をするyoutuberも増えてきており、もはや説明などはそっちに譲ってもいいのではないかとさえ思っています。

そうすれば、教員は、英語を使って、何を学ぶのかという本来の授業デザインを意識することに集中できます。

英語を英語で教える利点は、何だとお考えですか?日本語で教えたほうが良いと思える部分はありますか?    

英語を英語で教える利点は、[複雑な用語]を使わずに、根本の内容を指導することができる点です。

また、余計な思いをかぶせないので、理知的に説明を加えることができ、非常に効率が良いと思います。

日本語で教えた方がいい点としては、日本の検定教科書を使う際に出てくる大量の用語の説明などです。

これは逆に英語で説明することで、混乱を招くように思います。

オールイングリッシュにトライしても挫折してしまう若手教員は、日本語での文法用語を使った説明をそのまま英語に翻訳してしまうことで、自分も疲れ、生徒も理解できず、結果的に授業がうまくいかないという話を耳にしたことがあります。

英語の授業を英語で行うにあたって、先生が受けてこられた英語教育とは大きく異なる方法で指導や評価を行うことが求められていると思いますが、どのような対策をされましたか?  

自分が高校生の頃は、担当の先生のこだわりが強く、模試や入試問題の過去問ばかりを授業でやっていました。

定期試験も何かの過去問のみから出題され、その結果が成績評価となっていました。問題演習には慣れ、長文の中に書かれる文化的なものに関する事にはめっぽう強くなる一方で、英語運用能力をチェックされたことがない為、学校で自分の英語力がどうだったかのを知ることはありませんでした。

むしろ、当時、僕は、日本語とアメリカ系のアクセントが混ざっていたので、イギリス英語を使う担当の先生に、「アメリカ英語VSイギリス英語」をよくふっかけられ、「お前の英語は英語じゃない」と言われていた事ぐらいでしょうか。

では、自分が教師になった今、どうしているのかという事ですが、テストでは、英語そのもの、いわゆる文法などの知識系と、英語を使ってなにかを表現するスキルをチェックしています。

明確な場面、目的、状況などを設定し、適宜、4技能を分散させて評価することにしています。

ただ、定期試験で「話す」事はできませんので、別で実施する事にしていますが、ここはPeer Checkingにしています。

Celt-Sのモジュールでも学習するものです。とはいえ、スピーキングのジャッジはなかなか難しい状態です。

現在に至るまでに、研修等を受けられたと思いますが、受講された教員研修は、国が示す「学校における指導と評価の改善」に役立ちましたか?

年間複数の研修に参加させていただきますが、学校における指導と評価の改善に直接役立つものもあれば、そうでないものもあると思います。

しかし、総じて、個人の指導技術向上には大きく役立っていると思います。

 現在の教育方針で、授業を行うにあたり、普段から心がけている事はありますか? 

これだけ4技能がどうだこうだと叫ばれてはいますが、結局入学してくる生徒たちのほとんどは、「知識偏重」のかたまりのような状態で入ってきます。

まずは、そこを解きほぐすことから入っていきます。

自己紹介1つ取っても、プレゼンテーションスキルにつながるように、自己紹介+1の内容で指導しています。

検定教科書の内容でも、本文の内容をきっかけに、世界と結びつくように工夫する。

本文には、NZのテカポという場所が取り上げられていましたが、テカポと、日本の観光地での政策を比較してみたり、あるいは自分がテカポの住民だったらどういった生活になるのかを考えてみるなど、一歩踏み込み、教科書が世界への入り口になるようにしています。

だいたい半年ぐらいで本文と問題演習の世界から脱却するようになると思います。これが心がけていることです。

ちなみに、先日の共通テストでも、言語活動を念頭に置いている事が前提で、スキーマを用いなければ解きにくく感じる問題や、多くの情報整理、日ごろから英語に触れていないとできない試験内容となりました。

これで国が求めていることが明らかになったのではないかと思います。
英語を読み解くだけのものではなく、英語は、使って何かを行うのだということ。それが重視されているのであろうと思います。

今後、達成したい目標がありましたら教えてください。
また、受講したい研修はありますか? 

新しい観点での評価が示されていますが、その枠も大事ですが、僕個人としては、概念の完成を目指した教科教育の元で、英語を学ぶのではなく、英語で何かを学ぶ。

文法を学ぶのではなく、文法学習を通して、文法+1を学ぶ。
枠を作るのではなく、学びの軸を作る事。

それが大事な点だと感じています。

その実現に向けて、現在は、同じような志を持つ教員の育成、そして、洋書教材と日本の検定教科書をうまく使いこなしていくことが目標です。

もし、勤務校が様々な配慮をしていただけるならば、Train the Trainerなどを受講し、世界へ羽ばたく学習者を育成する教員の育成に携わりたいと考えています。

※ レクシスジャパン株式会社(所在地:神戸市中央区西町36三菱UFJ信託銀行神戸ビル9階)は、「CELTA」の他、ケンブリッジ大学英語検定機構の認定を受け、英語教授認定資格コース「CELT-S」、「CELT-P」、「Short Courses」など、小学から中高の英語教師を対象としたコースを開講しています。

また、日本全国のALT(外国語指導助手)と日本人英語教師対象の研修を、実施しています。JETプログラムで知られる、一般財団法人自治体国際化協会が主催し、レクシスジャパンが実施する研修は、ALTの育成だけでなく、日本人英語教師とのグループワークを通じて、チームティーチングの実践と相互の理解を深めるプログラムです。

教育委員会、近畿付属高等学校など学校単位での研修も数多く行っています。機関ごとに、問題点、改善点、目標など異なります。どのような研修が適切であるかご提案致します。お気軽に、ご相談ください。

お問い合わせは、こちらまで。 TEL: 078-331-0944  Email: info@lexisjapan.com

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